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まんのう町におけるエコツーリズムの推進

まんのう町エコツーリズム推進全体構想の策定

 本町は香川県の南西部、讃岐山脈北側の丘陵地に位置し、日本最大級のかんがい用ため池である満濃池を含む900余りのため池を有する水と緑があふれるまちです。中でも、山間部地域は、香川県の中で最も自然環境や森林資源に恵まれた地域ですが、一方で、本町全体の人口が昭和60年以降の35年間に25%減少しているのに対して、山間部になればなるほど、その減少率は大きくなっており、最も山深い琴南地域では同時期に人口が約53%減少するという状況下にあります。
 一方で、本町は高松市等の市街地からは自家用車で1時間程度でアクセスできる地域ですが、最近のコロナ禍にあって、都市住民を中心に地方の自然豊かな環境が見直されているという変化を地域住民がうまく掴みきれていない状況にあります。
 そこで、本町では、地域の実情に沿った、今ある資源を活かした地域活性化の取り組みとして、エコツーリズムに注目しました。特に、本町のような自然環境は豊かではあるものの、過疎化が進行しているような地域にあっては、エコツーリズムの推進が、地域資源としての自然環境を保全・活用し、地域経済の循環を促すとともに、地域の魅力を再発見し、地域社会の持続可能性を高めるものとして期待されます。
 具体的には、令和3年度に、まんのう町エコツーリズム推進協議会を立ち上げ、地元の受け入れ可能な規模で、身の丈に合った事業展開をしていくことを基本とした取り組みを検討してきました。そして、その目的を、「豊かな自然環境を活用・保全し、持続可能で若者から高齢者までが生き生きと暮らす地域の実現」とした「まんのう町エコツーリズム推進全体構想」を策定しました。
 この全体構想は、令和5年6月22日付けで国の認定を受け、この全体構想を基に、地域の実情に沿ったエコツーリズムを推進し、持続可能な地域づくりに取り組んでいます。






まんのう町におけるエコツーリズムの取り組み


地域の概況

 まんのう町は、香川県の南西部、讃岐山脈北側の丘陵地に位置し、中でも、山間部の琴南地域は、香川県内で最も自然環境や森林資源に恵まれた地域で、県内唯一の一級河川である土器川の源流域となっており、南は讃岐山脈で徳島県境に接しています。
 この地域には県内で最も標高の高い竜王山(1,059.8m)、第二峰の大川山(1,042.8m)があり、優れた自然景観を有することから、県内唯一の県立自然公園である大滝大川県立自然公園(町内1,282ha:特別地域270ha、普通地域1,012ha)に指定されています。
 また、本地域にはかつての賑わいを窺い知ることのできる文化財等が多く残されています。近代以前においては、阿波の国(現在の徳島県)からの街道が整備され、歴史的にも古くからの寺社仏閣、道標などが残っており、自然環境と密接な関係を有する風俗習慣や伝統的な生活文化の宝庫でもあります。
 しかしながら、最近の30年間に過疎化が進行し、特に山間部においては、車社会の進展もあり、公共交通機関の利便性が低下しました。その一方で、高松市等の市街地からは自家用車で1時間程度でアクセスできるようになり、比較的手ごろに豊かな自然が楽しめることから、自家用車を使った家族単位でのキャンプやトレッキング、森林浴など様々な自然体験を目的とした観光客が訪れるようになっています。
 そのため、琴南地域では、これまでも自然環境を生かした野外宿泊施設としてのキャンプ場整備などを行ってきましたが、必ずしも地域の活性化などにつながっているとは言えない状況であり、人と自然との関りについても、地域住民の高齢化と農林業の従事者の減少が相まって、地域社会全体において希薄化しつつあります。




現状と課題


 まんのう町の総合計画では、本町の発展課題の一つに、「自然・歴史遺産の保全と活用」を掲げています。それは、本町の7割が林野、1割が農地で、町民は、都会にはない「里地里山」の豊かな景観や生態系に囲まれて暮らしているからです。
 また、本町には、国指定史跡「中寺廃寺跡」など、ロマンあふれる貴重な歴史遺産が数多く遺されていることから、古代からの本町の優れた歴史を多くの人が肌で感じられる空間にするなど、歴史遺産をまちづくりに有効に活用していくことを謳っています。
 さらに、先人が築き、脈々と受け継いできた「里地里山」の自然を後世に引き継いでいくため、農林業の長期的視野に立った振興を図っていくことなどにより、「豊かな自然を活かし みんなで創るまち まんのう~地域のつながりを大切にするまちづくり~」を基本理念に、まちの将来像を、「元気まんまん まんのう町 ~水と緑がひとを育み支えあうまち~」と定め、水と緑により新しい人材や地域産業が育ち、社会や経済を力強く支え、人口減少の抑制、住民1人ひとりの活力の向上、地域の自治力の向上につながる「元気まんまん」のまちをめざしています。
 これらは、地域の自然を保全しながら、その恵みを生かした暮らしの創造と地域づくりを目的としたものであり、エコツーリズムに通じるものです。
 しかしながら、現状は、豊かな自然環境はあるものの、その良さについては町外には十分に知られておらず、その利用は限られたものになっています。そのため、自然の活用は主に森林・山岳のトレッキング、名勝地の景観鑑賞などにとどまっている状況です。加えて、町内には宿泊施設が少なく、中でも山間部である琴南地域などでは宿泊施設は1箇所、キャンプ場が2箇所あるのみで、日帰り客の利用が主となっています。
 さらには、近年の過疎化の進行など社会情勢の変化により、かつての生活文化や伝統文化が失われつつあるほか、最近では、地域住民の暮らしにおいても、自然とのかかわりは第1次産業の衰退により限られたものになりつつあり、地域活性化における地域内の担い手の確保が難しくなっています。
 このような状況を踏まえ、本町では、山村部に普通にある豊かな自然環境を活かしながら地域コミュニティを活性化する手法として、これまでに、琴南地域を対象に、森林の利活用を目的とした「森林空間利用促進事業」を実施してきました。この中で、県内の団体が各種の自然体験・森林体験を行う機会と、それによる交流人口を増やすことを目的に、それらのプログラム開発を行うほか、健康志向からの森林散策や森林浴などの活動と温浴施設等とを連携した利用を促進する取り組みを進めています。
 それらを踏まえて、生き物を専門とする自然保護団体やアウトドアプログラムを実施する団体の誘致、森林インストラクターや地域おこし協力隊員の受け入れなど、具体的な担い手の導入などに努めていますが、今後は、これらの様々な関係団体間のネットワークの形成や、いろいろな場面での連携した取り組みを推進する必要があります。

取り組み

 まんのう町では、エコツーリズムの推進によって目指す地域の姿を、「豊かな自然の恵みを享受して、ゆったり暮らせる地域」とします。
 また、これを実現するために次の3つの基本方針に基づいて事業を推進します。
 <基本方針1>「里地里山」の豊かな景観や生態系の保全と継承
 <基本方針2> 地域資源の活用による自然と人と地域の交流の活性化
 <基本方針3>「里地里山」の暮らしを活かした持続可能な地域づくり
 さらに、本町が有する利点を効果的に活かすため、エコツアーを企画・実施する際の要点として、次のとおり「5つの推進ポイント」を設定します。
 ポイント1:地域の豊かな自然環境、生活文化や伝統文化の良さを再評価し、広くアピールする
 ポイント2:多様なプログラムを開発し、施設の利用率のアップと利用者のリピーター化を図る
 ポイント3:地域産物の商品化やエコツアーによる利益の地元還元の仕組みをつくる
 ポイント4:地域住民がエコツアーの実施に関わり元気になる仕組みをつくる
 ポイント5:地域内外からエコツアーの担い手を育成する

主なツアープログラム

森を歩く・森で過ごすツアー
 森をゆっくり歩くツアーです。森歩きの初心者の方、生き物の生態のおもしろさを知りたい方、森のいやしを感じてみたい方におすすめです。
 春は若葉が芽吹き、秋は美しい紅葉に囲まれながら森の中でのヨガ体験です。初めての方でも気軽に楽しめる内容となっています。





讃岐山脈のトレッキングツアー
 大川山や竜王山の1000m級の山や、讃岐山脈などの山々を歩くツアーです。時間をかけて山を歩くため、本格的な山登りがお好きな方、興味がある方にもおすすめです。





ツリークライミング体験ツアー
 いつもは見上げるだけの高い木の樹冠部までロープで登ります。初心者でも安全に自分の力で登れる体験ツアーです。日頃見ることのない森の光景が広がります。




里山の自然と歴史・文化を巡るツアー
 里山の自然を楽しみながら、かつての阿波と讃岐を結ぶ街道や平家の落人伝説、歴史ある神社や雨ごい踊り、山岳信仰など地域の歴史と文化に思いを馳せるツアーです。





トレイルランニング
 大川山、竜王山、笠形山を周回するトレイルランニングレースです。総距離約40kmを走り、累積標高約3,800mを登るハードコースです。




まんのう町エコツーリズム推進全体構想


全体構想の目的                                    

 まんのう町のように自然環境は豊かではあるものの、過疎化が進行しているような地域にあっては、エコツーリズムの推進が、地域資源としての自然環境を保全・活用し、地域経済の循環を促すとともに、地域の魅力を再発見し、地域社会の持続可能性を高めるものとして期待されます。
 また、新たな観光への動きが示すように、遠くの観光地より近くの観光地が見直されていることや、持続可能な取り組みにとどまらず、「環境にやさしい」から「環境をよくする」へ、さらには地域への配慮や経済還元などを目的とした取り組みなどにつなげることにより、「豊かな自然環境を活用・保全し、持続可能で若者から高齢者までが生き生きと暮らす地域の実現」を目的として、エコツーリズムに取り組むため、「まんのう町エコツーリズム推進全体構想」を策定したものです。

エコツーリズム推進全体構想の概要

(1)エコツーリズムを推進する地域
  エコツーリズムを推進する地域はまんのう町の琴南地域とし、地域全域にわたって存在する多様な自然観光資源を活用したエコツーリズムを推進します。


(2)エコツーリズムの対象となる主たる自然観光資源の名称及び所在地
 ①自然環境に係るもの
 ・大川山からの風景、三霞洞渓谷、黒部渓谷、久保谷などの自然景観
 ・讃岐山脈のケスタ地形、木戸の馬蹄石、八峯川の滝などの地形・地質
 ・大川山山頂のイヌシデ林、竜王山の森林、寺社の社叢と巨木などの森林生態、讃岐山脈の動植物





 ②その他観光資源
 ・阿波街道と三頭越、金毘羅街道と借子牛、平家伝説の里、氏神社と伝統行事、水をめぐる物語と史跡、大川神社と念仏踊りなど






(3)エコツーリズムの実施の方法
 ルール
 地域住民の生活環境や参加者の安全などを確保し、よりよいエコツアーを継続していくために、次の6つの項目にルール(地域の取り決め)を設定します。
 A 地域住民の生活環境等
 B 野生動植物及び野生動植物の生息地・生育地など
 C 史跡、伝統文化など
 D 地球環境や環境への負荷低減などの環境全般
 E 参加者の安全
 F エコツアーの質
 案内(ガイダンス)及びツアー
 本地域におけるエコツーリズムは、持続可能な地域づくりの観点から、エコツアーの頻度、規模等においては、地域の受入可能な範囲内での実施となることから、案内の方法は、ガイドが直接解説したり、体験の指導をする方法を主としながら、補助的に間接的な案内方法も活用するものとし、次の5つに整理します。
 ① 地域の豊かな生態系に学び自然環境の良さを享受するエコツアー
 ② 地域の史跡や伝統文化を学び時代の変遷をたどるエコツアー
 ③ 里地里山の生産活動と身近な自然に育まれた生活文化にふれるエコツアー
 ④ 多様な自然環境を活用した新しい暮らし方につながるエコツアー
 ⑤ 自然と共存する地域の暮らしの課題解決につながるエコツアー
 自然観光資源のモニタリング及び評価
 エコツアーで活用されている自然観光資源の状況について、保全・保護の観点から、主にツアー実施者が継続的にモニタリングを行い、必要に応じてプログラムの改善を図ります。
 なお、自然観光資源だけでなく、ツアーの質や地域住民の方々の意識についても必要に応じてモニタリングを行い、地域への普及の度合いや負荷の実態や課題などについて検討し、その結果は琴南地域におけるエコツーリズムやツアーのあり方(ルール)にも反映します。
(4)自然観光資源の保護及び育成
 本地域で特定自然観光資源の指定は行いませんが、本構想に記載されたルールを関係者が順守するとともに、保護に必要な取り組みを進めることで、自然観光資源の価値が損なわれないよう保護・育成に努めます。
 また、モニタリングの結果に基づき、より一層の保護や育成の対策が必要であると判断された場合は、専門家等の意見を踏まえて協議会において対応を協議し、関係者の協力を得て改善を図ります。
(5)協議会の参加主体
 まんのう町の他、エコツーリズムの推進に係る各分野の活動団体や事業者、地域住民、有識者、関係行政機関等から構成されています。


(6)その他エコツーリズムの推進に必要な事項
 環境教育の場としての活用と普及啓発
  次の3つの方法を通じて、エコツーリズムを環境教育に役立てます。
  ① 案内(ガイダンス)及びプログラムの実施に当たっての留意点
  ② 地域住民に対する普及啓発の方法
  ③ エコツーリズムによる子どもたちへの環境教育の推進
 他の法令や計画との関係及び整合
  自然公園法や文化財保護法などの関係法令に配慮して実施します。
 農林水産業や土地の所有者等との連携及び調和
  農林水産業や土地所有者と連携してエコツーリズムを推進します。
 地域の生活や慣わしへの配慮事項
  ツアー実施者は参加者ともに、地域の生活文化や伝統文化を尊重し、エコツアーでの活用がそれらに悪影響を及ぼさないよう配慮します。
 安全管理
  エコツアー実施に際し、参加者及びツアー実施者の安全を確保するために、エコツーリズムのルールに基づき対策を実施します。
 全体構想の公表
  全体構想の作成・変更・廃止を行った際には、ホームページなどで広く一般に周知します。
 全体構想の見直し
  全体構想は、必要に応じて、推進協議会において毎年度実施状況について点検を行います。また、概ね5年ごとに見直しを行います。

まんのう町におけるエコツアーの実施について

エコツーリズムのルールの設定

 まんのう町エコツーリズム推進全体構想3の(1)のルールをもとに、実際のエコツアーなどの事業展開において、地域住民の生活環境や参加者の安全などを確保し、よりよいエコツアーを継続していくために、エコツアー参加者が守るように努めるルールを以下のとおり設定しました。このルールは、必要に応じて見直します。


エコツアー実施におけるモニタリング

 まんのう町エコツーリズム推進全体構想3の(3)のモニタリングとして、エコツアーで活用されている自然観光資源等の状況について、保全・保護の観点から、主にツアー実施者が継続的に行うモニタリングの報告様式を以下のとおり設定しました。報告内容については、自然観光資源等だけでなく、ツアーの質や地域住民の方々の意識についても必要に応じてモニタリングを行うことにより、エコツーリズムやツアーのあり方(ルール)にも反映していきます。


エコツーリズムについてのお問い合わせ先

まんのう町エコツーリズム推進協議会(事務局:まんのう町地域振興課)
 〒766‐8503 香川県仲多度郡まんのう町吉野下430番地
 TEL:0877-73-0122 / FAX:087-73-0113

エコツアーについてのお問い合わせ先

ことなみエコツアー推進協会  https://sites.google.com/view/kotonamieco
 〒766‐0203 香川県仲多度郡まんのう町川東2355-1番地 エピアみかど内


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