山脇黒部谷にある轟の滝は、黒部の滝とも呼ばれ、十八メートルの高さから落下する水瀑は、いつも太鼓のような滝鳴を発しているところからその名がつけられたという。山は神の止住地であり、四季を通じて渇することのない飛瀑は神秘であり聖地として神聖視された。
町道傍の案内道標から約一・三キロ進むと、右側の谷に径五メートル余のほぼ楕円形の大きな岩石があって、「吉徳大明神」として祀られている。
住古からの岩石信仰の名残をみることができる。
ここから約二〇〇メートル登った道の左上に「南無妙法蓮華経」と刻字した大きな石碑がある。 さらに進み林道から右に外れ、谷を渉ると六〇センチほどの道幅のけわしい山路となり、三〇〇メートルほどでこの滝つぼに着く。
滝つぼの右側に讃岐奥院轟山不動明王を祀ったお堂が建てられている。時おり滝にうたれて行を する人の姿が見られる。
今もなお幾千年の昔より苔むし、蔦のからまる岩肌は両岸に突き立ち、松のみどりはあたりと調和して深渕に影をおとしている。渓流は清く澄み、滝つぼよりふきあげられた渕辺の小石をきれいに洗いつづけている。山あいからは遠くの連峰も望める景勝地でもある。
昭和六一年(一九八六)県自然記念物に指定。

【香川県自然記念物指定】
昭和61年

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